真実と嘘をテーマにした中島みゆきの楽曲
中島みゆきの「有謬の者共」は、真実と嘘をテーマにした楽曲です。
歌詞には「いくつの夜を集めても足りない」「幻の火を連ねても足りない」というフレーズがあり、隠れ家や物陰で嘘が渦巻く世界を描いています。
逃れ続けたり、間違えたりすることが人間らしさであり、誰もがまだ人間であるというメッセージが込められています。
曲調は真っ新で真っ直ぐながらも暗い空をイメージさせるもので、嘘が解ける夜や嘘が溶けだす夜といった表現が使われています。
中島みゆきの独特な歌唱力と歌詞の世界観が相まって、聴く人を引き込む一曲となっています。
いくつの夜を 集めても足りない
ここは隠れ家 息をひそめてる
幻の火を 連ねても足りない
ここは物陰 嘘たちの棲み処
隠れて隠れて隠れ続けた
逃れて逃れて逃れ続けた
この部分の歌詞は、隠れることや逃げることに焦点を当てています。””ここ””は隠れ家であり、嘘たちの棲み処です。””幻の火””を連ねても足りないという表現から、隠れることや嘘をつくことが彼女にとっての生きる術であることが伺えます。
また、「隠れて隠れて隠れ続けた」「逃れて逃れて逃れ続けた」というフレーズは、彼女が過去に何かから逃げ続けてきたことを示唆しています。何かしらの困難や苦しみから逃げるために、彼女は隠れることや嘘をつくことを選んできたのかもしれません。
嘘が解れる夜
間違えてもニンゲン 間違えてもニンゲン
間違うのがニンゲン 誰かがまだニンゲン
間違えてもニンゲン 間違えてもニンゲン
間違うのがニンゲン あんたがまだニンゲン
この部分の歌詞は、嘘が解れる夜について歌われています。歌手は「ニンゲン」という言葉を繰り返し使っていますが、これは「人間」という意味です。歌詞の中で「間違えてもニンゲン」というフレーズが繰り返されており、人間は間違いを犯す存在であることを表現しています。
また、「間違うのがニンゲン 誰かがまだニンゲン」というフレーズは、他人を批判することなく、自分自身も含めて人間は誰しも間違いを犯す存在であるということを示しています。この歌詞は、人間の持つ欠点や嘘を暗示しており、嘘が解れる夜には人間の本性が露わになるというメッセージが込められています。
時が縺れる 夜へ傾れ込む
離れ離れの記憶が入り組む
停まって停まって停まり続けた
凍って凍って凍り続けた
清潔で 高潔で 冷血な空
従順で 恭順で 単純な空
嘘が溶けだす夜
この部分の歌詞は、時間が経つことで夜に向かっていく様子を描いています。””時が縺れる””という表現から、時間が複雑に絡み合っている様子が伺えます。また、””離れ離れの記憶が入り組む””というフレーズからは、過去の出来事や思い出が混ざり合っている様子が感じられます。
さらに、””停まって停まって停まり続けた””や””凍って凍って凍り続けた””というフレーズからは、時間が止まっているような感覚や凍りついたような状況が描かれています。これは、歌詞の主人公が何かに囚われているか、停滞している状況にあることを示唆しています。
また、””清潔で 高潔で 冷血な空””や””従順で 恭順で 単純な空””というフレーズからは、冷たく無機質な環境や人々の存在が描かれています。
まとめ
中島みゆきの「有謬の者共」は、隠れ家で息をひそめる者たちや嘘たちの棲み処を描いた歌詞です。逃れ続けたり、間違えたりすることが人間らしさであり、誰もがまだ人間であるというメッセージが込められています。時が縺れる夜や凍り続ける空の中で、嘘が解けたり溶けだしたりする様子も描かれています。真っ直ぐで潔癖な空や冷血な空も登場し、人間の複雑な心情を表現しています。